
【全日本ラリー選手権 Rd.5】初の北海道グラベルで味わった天国と地獄。崖からの復活劇で証明した、揺るぎない速さ。

【2025全日本ラリー選手権 第5戦 ラリーカムイ参戦レポート】
7月上旬、真夏の太陽が照りつける北の大地・北海道。ロッソレーシングは、チーム初となるグラベルラリー、そして初の北海道遠征となる全日本ラリー選手権第5戦「ARK ラリー・カムイ」に挑みました。
ステアリングを握るのは、今季目覚ましい成長を遂げる藤原友貴。その隣には、的確なコールで支える宮本大輝。スイフトスポーツを駆る二人にとっても、すべてが未知の挑戦となる滑りやすいグラベル(未舗装路)との戦いです。
しかし、スタートが切られると、そんな不安は一瞬で期待へと変わります。藤原は初のグラベルとは思えない圧巻のスピードを披露。SS2を終えた時点で、後続に1分近い大差をつける圧倒的な走りでクラストップに立ちます。誰もが、このまま勝利へと突き進むことを信じて疑いませんでした。
だが、ラリーの女神はあまりにも気まぐれでした。続くSS3、魔物が潜むコーナーでマシンはコントロールを失い、崖下へ転落。幸いクルーに怪我はなかったものの、ここで無念のデイリタイアを喫してしまいます。
絶望的な状況の中、我々のチームは誰一人として諦めていませんでした。崖から引き上げられた満身創痍のスイフトを、メカニックたちが総出で夜を徹して修復。翌日、再び戦いの舞台へ上がるために。

そして迎えたLEG2。どん底から這い上がった藤原/宮本組は、その悔しさをすべてマシンの推進力に変え、LEG2の全SSでクラストップタイムを叩き出すという驚異的な走りを披露します。
最終結果はクラス5位。表彰台を逃した悔しさは残ります。しかし、失ったもの以上に、我々はこのラリーで確かなマシンのポテンシャルと、誰にも負けない「速さ」の証明、そしてどんな困難にも立ち向かうチームの揺るぎない結束力という、大きな大きな収穫を手にすることができました。
熱い声援を送ってくださったファンの皆様、そしてご支援いただいたスポンサー、関係者の皆様に心より感謝を申し上げます。
【最終結果】
クラス:5位/7台中
総合:47位/55台
LEG1 リタイヤ
LEG2 クラス1位

■ロッソレーシング WM DL スイフト
ドライバー 藤原 友貴
ラリーカムイ、たくさんの応援ありがとうございました。
■LEG1
チームとしてグラベルラウンドは初参加。自分としてもあまり経験のないグラベルですが、直前テストでのフィーリングが良く、楽しみな週末を迎えました。SS1,2ではクラスベストタイムをマーク。2本で2位と1分近く離し、出来すぎたスタート。ですが、SS3でコースオフ。リア側から谷底へ落ちてしまいました。落ちて行く時はスローモーションで、ここまで築いたモノが全て崩れ落ちていくそんな感覚でした。幸いクルーにケガはなく、本当にラッキーなことに崖から落ちたのに、車両に大きなヒットもありませんでした。まだいけるよとそんな風に語りかけてくれるスイフトを見て、ここで終わる訳にはいかない。とにかく引き上げて、また走り出すんだ。その一心でした。引き上げて、サービスパークに戻ることができたのは19時頃。陽も落ちて、残っているチームはほとんどいない状況から、メンテナンス開始。チーム総動員で、岐阜トヨペットさんにも作業を手伝って頂きました。ラリーという競技性を強く実感する1日でした。
■LEG2
再車検を無事合格し、再び走り始めました。SS8では、車のフィーリングを確かめながら、ペースコントロールしてスタート。いきなりクラスベストをマーク。次のSS9でもベスト連取。折れかけていた走りの自信を取り戻すことができました。午後のサービスでは、タイムをあげるためにセッティングを変更。車のコントロール性が上がり、SS10では午前と比較して、20秒UP。最後のSS11もクラスベスト。終わってみるとLEG2はぶっちぎりでフィニッシュ。見事復活劇を成し遂げる事ができました。
速さだけでなく、生き残ることが重要視されるグラベルラリーの難しさ、諦めないことの大切さ。このラリーで今までのラリー経験以上の大切なモノを味わう事が出来ました。
強くなれたかな、強くなったはず!
この経験を糧に、さらに速く・強くなって戻ってきます!
次戦、ラリー北海道は再びヤリスとスイフトの2台で出走の予定です。
引き続き応援よろしくお願いします!

■ロッソレーシング WM DL スイフト
コ・ドライバー 宮本 大輝
全日本ラリー第5戦ラリーカムイ完走することができました。完走まで導いてくれたチームの皆様、スポンサーの皆様、応援してくれた皆様に大きく感謝しております。
金曜日 レッキ
早朝からグラベル林道のレッキがスタートして順調に進めていましたが道中でレッキ車にアクシデントが起きて本番車を使ったレッキに変更して続行するという競技前から大きな試練がありました。流石試される大地と言われてるだけあって過酷な道を明日から走るんだなという印象でした。
LEG1
全日本ラリーとしては少し遅めのスタートでラリーが始まりました。SS1.2は探りながらもクラスベストを奪取。リーディングも今回から読み方を少し変えてのトライでしたが読むタイミングだけではなく聞き取りやすいリーディングを構築しながら競技を進めていました。そしてSS3をスタート、約2キロ前後の位置で内側の大きいギャップをケアしたところ車が思ったより外側へ流れてしまい崖下の方にゆっくりと落ちてしまいました。落ちているときはいろんなことがフラッシュバックしたり、このままリタイヤか横転して今シーズン終わりかな等考えましたが落ち切った時には傾いてはいたものの致命的なダメージが見当たらず、大きな音もしてなかったのでこれは綺麗に引き上げられたら明日再出走できるかも?と思ったのでチームと相談しレグ離脱を決定しました。正直2本ベストを取れていたのでここで勝負権を失ったのはとても悔しいことではあるのですが初の全日本ラリーグラベルラウンド参加ということで必ず完走、少なくとも経験値を獲得しておくことが大事と気持ちを切り替えることができました。
実際に車が上がってきたのは日が落ちてから、まずほぼ損傷無く上がってきたのが本当に幸運でした。そこからはチーム総出で車両の復旧に努めました。エントラントの私たちは翌日の再出走が早朝になるため少し先にホテルに戻らせてもらいましたがチームの皆さんがきっちり治してくれていると信じて明日に備えました。
LEG2
無事に再出走車検を通過し、ここからラリーリスタート。マシンもきっちり治してもらい違和感なく走行をスタートできました。朝から今大会最長16キロのSSを走行するのでスタート前は正直恐怖感を感じでいましたが、ドライバーの藤原は離脱前と変わらない走行で下手に抑えすぎずいつも通りに走ってくれたおかげで少しずつ恐怖感も消えてしっかりとリーディングができました。そこからは4連続クラスベストを取れて日曜のレグポイントはフルで獲得できました。チームの皆様には結果として少しはお返しできたかなと思っております。
チームとしても車両としてもエントラントとしても全てが初挑戦のグラベルラウンドでアクシデントもありつつでしたが無事に完走できたことはとてもポジティブなものですし次戦のラリー北海道に向けてデータもたくさん得られましたのでチームで共有しさらにみんなで強くなれるように頑張りますので今後も応援のほどよろしくお願いいたします!

